相模原市立谷口台小学校4年生の総合学習の総まとめの授業に参加させて頂きました。

2022年01月28日

【相模原市立谷口台小学校4年生の総合学習の総まとめの授業に参加させて頂きました】
「『455~子ども達のレジリエンス~』の中には、自分の未来を創り社会とつながっていこうとする、震災を経験された中高生の強く優しいレジリエンスストーリーが描かれていました。このストーリーは、きっと、わが校の子ども達の背中に寄り添っていくものになるに違いないと感じました。」
東日本大震災10年の節目に弊会で発刊したチャリティブック「455~子ども達のレジリエンス~」に対し、このようなメッセージをいただき、小学校4年生の総合学習の教材として、「455」をご活用くださっていた相模原市立谷口台小学校。

同校の4年生140名は、今年10歳を迎えるにあたり、「1/2成人式」というコンセプトで、1年間かけて「社会との“つながり”から自分たちの未来を考える」授業に取り組んでこられたそうです。
本日、この授業の総まとめが行われるとのことで、「是非、455の中で記事を書いている生徒さんに、子ども達に直接お話し頂きたい」とご依頼を頂き、第1章「レジリエンス」の№3の記事を担当した板倉凱士くん(フランス2013)が、特別講師を務めました。

 

授業は、4年生全員による歌のサプライズプレゼントからスタートしました。
続いて、1年間かけてどのように社会とつながり学びを深めてきたのか、4年1組から4組まで、各クラス5分ずつの発表。

1組は「服のリサイクル」、2組は「給食から考える食品ロス」、3組は「節水」、4組は「プラスチック問題」。どのクラスも、「社会の中にある様々な課題を、大人や地域や企業とつながることで、自分達はどう解決できるのか」、1年間かけて考えたことが、しっかりと伝わる素晴らしい発表でした。

 

小学生の発表を受けて、いよいよ板倉くんの講演です。

第1部は、板倉くんが経験した東日本大震災がテーマ。目の前にいる140名の4年生は、全員震災後に生まれた震災を知らない世代。どうしたら自分の体験が子ども達のこれからの役に立つのか悩んだ板倉くんは、子ども達の発表した「服のリサイクル」「食品ロス」「節水」「プラスチック問題」を、自身が小学5年生の時に経験した避難所生活と結び付けて、語りかけました。

「震災直後、僕は、この体育館と同じくらいの広さの体育館で避難生活を送っていました。震災当時は、今と同じくらいの気温で、とても寒かったです。津波が来てすぐに逃げたので、避難所には服は無く、とても寒い日々を過ごしました。そして、1日の食事はパン2つでした。水は出なかったので、お風呂は、自衛隊が作って下さった簡易シャワーを利用させて頂いていました。今、皆さんは、環境面から、服のリサイクルや食品ロスや水の大切さについて発表してくれましたが、1年かけて皆さんが学んできたことは、僕が経験した災害時にも役に立つことなのです。皆さんの学びは、災害時に、誰かを助けることにもつながることなので、これからも続けていって下さい。」

 

第2部は、Support Our Kidsプロジェクトに参加して、様々な大人や世界とつながることによって、どのように未来を切り拓いていったのか、子ども達に語りかけました。

「皆と同じ小学生のころ、僕は、暗くて、人見知りでした。そんな僕の転機は、中学2年で、Support Our Kidsのフランスホームステイに参加させていただいたことです。パリで、自分の名前の由来である凱旋門を見て、震災で亡くなった母が僕の名前に込めた想いに気づけたこと。人とかかわる楽しさを知ったこと。カッコいいと思える大人にたくさん出会えたこと。これらのことから、自分は変わることが出来、新たな夢も出来ました。僕が皆さんに伝えたいことは、人との出会いで、人生は大きく変わるということ。だから出会いを大切にして下さい。そして、夢は増えることも、変わることもあります。皆さん、人生の中で〝三昧”を見つけて下さい。」

 

第2部では、現在、夢の実現のためにセネガルを訪問中の久我理亜さん(フランス2013)もビデオメッセージでサプライズ登場しました。

ビデオメッセージは、セネガルの11歳の男の子へのインタビューからスタートし、久我さんのメッセージ、久我さんからの歌のプレゼントという構成でした。

「私は、大好きな絵と音楽のおかげで、世界中に友達が出来ました。スポーツ、音楽、ダンス、芸術、何でもいいので、みんなが好きなことをやり続けて下さい。好きなことは、世界とつながる必殺技になります。」

 

授業の最後は、小学生から板倉くんへの質疑応答。

板倉くんからも、将来の夢についての子ども達へ質問があり、小学生から時間をオーバーするほど、たくさんの夢が発表されて、約2時間の授業は終了しました。

 

有意義な機会を創って下さった谷口台小学校の先生方に、心から感謝申し上げます。